すみっこ
リュックからいろんなものを出して、ばらまいて、「あげる、これもあげる、これも、これもあげるよ」ってテーブルにとんとこ置いて、満足そうな顔してるけど、どれもこれもいらないなーって思った、だけどそういうことをする君がとてもいい、「あげるよ」の…
ちょっといいなって思った、テレビがめんみたいな爪とか、しろっぽい指とか、すぐあかくなる耳とか、あまったるい匂いとか、がむをかんでる口とか、ねむたげな目とか、だるそうな声とか、ぺったんこなお腹とか、しかくい背中とか、圧迫とか、握力とか、体温…
気づいたら隣に座ってたり、消えたと思ったら後でつれさりに来てくれたり、帰った後ですぐに電話してきたり、会いたいって言ったら会ってくれなかったり、そういうのいちいち喜んで悲しんで、ブラジャーの色まで考えてつけてることを知らないんだろなー
夕方はまだすこし明るかった、それに照ったあたしを見て、「しようか」と言う君は、ここ一番の顔で、まぶたがいい感じに落ちて、影がついて、顔を近づける 夕方がすきだ
あたまを触られて、耳たぶをひっぱられて、きもちいい事をされてるときのあたしは、どんなまぬけな顔をしてるんだろうって思いながら、きみとひざをぶつけて向かい合う さっきまでぐちゃぐちゃにハンバーグを食べてたあたしを、どうしてそんなふうにいやらし…
いいこだよ、って人に話す君のことをただただ想像して、そんなこと言わなくていいから、すれ違ってないで会いたいなって思った
はずかしいことをいっぱいして、もうはずかしいとおもうことはないなとおもってたけど、ちょっとはぐれたときにいがいにおおきいこえで、なまえをよばれたら、おもいのほかはずかしかった、し、こそばいほどうれしかったかも ってことをふるほんやさんで、い…
何も言わずに手を後ろにのばす時のきみはとてもかっこわるくて、とてもはずかしくて、とても好きだ 手ぐらいあたしから奪いにいくのに、きみはすらりってかっこよくしてりゃいいんだよって思う でもこっちを見ないでのばす左腕の色と形はパーフェクト、だか…
キャベツについて話をしてたんだけど、口んとこにもっていく指がものすごく素敵だったので、途中からはそればっか見てしまって、早く話なんて終わってキスしたり肩とか触れてくれたらいいのにな、って考えた だけどきみは期待通りにはいかないから、素敵な指…
なにかにもたれて、だらんと手足をのばしたり、縮めたりをくりかえす動作 遠くを見てぼけっとしてたり、ひょうひょうとしていたり、ああ、こんなに見とれてしまって あたしはだいじょうぶでしょうかねこぜが、しゃんとのびて、ずいぶんとあたしより背が高い…
真昼間の陽ざしにあたるきみの肩と右のほほ ちりちりと熱い、その皮膚をなぞりながらあたしはふと これはなんて安堵なんでしょう、と、指を結ぶ 少し冷えた指先が手の甲にあたり、それすら気持ちいい きみの白い色した肌があたしに重なりまた確かめる そこに…
下を向いて笑う時の君のこぼれそうにとろとろな口角のゆるさが、とてもすきだ、と思ったよ 薄くひらいた隙間から八重歯のさきっぽがちらりんと光って、まつげのまばらな目のふちがいっきに濃くなって、上品だな、といつも思う 調度よいスツールの高さと、調…
きみのてのかたちをからだにえがいてしまえたらいいのにな せなかにきみのりょうてをえがいてしまえたら、あたしはとてもやらかいはねをはやしたここちになるんだろうな
口癖と手の動きとまばたきの少ない目派手なTシャツと時計とスニーカー大切なものはこれだけで充分です、君が冷蔵庫を開けてその電気に照らされているだけでもとってもきれいに見えるのです、これはもう、そうとうにいかれてる
頬杖をついて不思議な顔をしてあたしを見るその癖が、どうにもどうしても、誰よりも愛しい あたしが今日探していたのは、君のいつもつけている香水、どこにもどうしても見つからなかった 君の服の肩とか胸とかそうゆうとこから流れる、いい匂いは手にいれら…
あたらしいせかい きみからもらったあたらしいせかいを、どうもありがとうと、このてににぎって、あたしは「きみがすきだ」とゆう、そうゆうそれだけのことが、きのうまではうれしかったんだ
きみをかたちづくるものを、だんだんおもいだせなくなる きみはあまいいろをしていたような、そんなきもするけど、とんでもなくあたたかかったような せんが、つながらず、きみがぼやける
断片的に、きみの動きをつなげて、ひとりあそびをしても、やっぱり本物にはかなわない、きみは無敵だ、アルコールとたばこ、それを体に取り入れて、きみを今日は払拭しようとしても、やっぱりきみがほしい、きみは無敵だ もったいなくて、電話を切れないよ
まいにちに、きみがいないので、きのうもねるまえにさみしいなとつぶやきました、どらまみたいで、はずかしい
すんすん、すんすん、きみのねむる背中 じくじくこころがしぼまって、りょうてをひらげてかたをだきしめた そしてふっふ、ふっふとねむけがやってきて、あとはきみのせなかでねむるだけ なんてじょうとうなあんどでしょう
頭と、首と、肩と、お腹と、膝と 目の前の、きみは、やさしい四角い手を持っているようで、その手を頬にもっていってそんで舐めてみたら、しょっぱかった 甘い味でもしてるのかと思ったんだけど、皮膚はあたしのと一緒だった、げーとゆったきみの顔も舐めて…
まってた、とゆわれた、こたえらんなかった、ふがいないにちじょうにひっしなあたし またしばらくの、きみとのさよなら
あいにゆけばよかったとおもう今日 高揚感と人肌と温度ときみの湿度 あたしは適度な心地にカビました みどりいろしたあたし、しろいきみ、まじわって、うすみどり、はるのいろ 窓の外は季節感のないネオン、熱したきみ、静かな寝息、鳥肌 あいにゆけなかった…
はいごからかこわれた、なんてここちのいいくうかん、きゅうかくはきみのにおいでいっぱいです ようふくのはたはたゆうおとと、ねむいとゆうちいさなこえと、それだけがぷかりとういたくうかんです まわりのきょうきじみたさわぎごえなんて、どうでもいいき…
かわいいといわれたい、きみがそばで、ぽそりとつぶやいてくれたらそれだけで、あと1週間はしやわせであたたかで、みたされて、もうあたしのからだのなかのせかいはきみがきみで、いっぱいです、となりでひだりてでもにぎってくれてたら、さいこうです
くちもとがとてもすてきにうごくなとおもってじっとみつめていたらとんでもなくちかづいてしまったのでとりつくろうようにきすをしてしまったのですがとつぜんのことにおどろいてふきだすあなたのくちもとはやっぱりしごくかわいかった ほしくなってずっとみ…
きみのやわらかいはなしかた、やわらかくすこしたかいこえ、おさえぎみのわらいかた、ぜんぶがぜんぶ、あたしをつきさします、けど、それをきみはしらないでいいです けど、おしえてあげないから、ずっとそうやってゆったりはなしてください、こぼさないよう…
でんわでたくさん「ごめんね」とゆうきみがとてもかわいかったのでなんでもない風にわらってしまった だけど、そんなことよりも、たまらなく会いたくなってしまってねれなくなった、真夜中のじっとりぬれたくうきがまどからはいって、あたしはきみをかんがえ…
信号機と電気街の光がびろろんのびて、それなりのスピードで電車はあたしを運んでくれますが、まだまだきみまでは遠いいようで、なぜだか泣きたくなる、『もうすこし』『いいよまってるから』『待たせてるのいやだな』『いいってまってるよ』『トイレにいき…
きょうは静かにおちついて、ふぅふぅと息をして、あせらずにすごしていれば、明日はきみにあえる、ほねばった四角い手があたしをつかんで、なでてくれるでしょ、しっかりと両手で、ばかみたいにふにふにのあたしの手を、きみは笑いながらつつむでしょ、そし…