きみのこと、あめと、しめった夜

雨はうっとおしくってしめった肩や髪の毛が重たいのです、だけど、きみがよりかかる肩はほんのりと温かい
ちょっとだけさいこうです

雨がふって手をつないで屋根の下、ねっとりからまる水分の世界、きみは大事そうに両手で手をにぎってくれました
ちょっとだけさいこうです

ひゃくえんの傘の中、きみだけがずぶぬれでそんで笑っていて、傘の柄と手を同時ににぎろうとするからぐらぐら揺れる傘、ほしいものはそんなにたくさんもらえないんです
でもちょっとだけさいこうです

濡れてじっとり雨の匂いのついた服が嫌いです、脱いで干していそいでだきあった、空調がききすぎの大きなベッドの上
きみとのいやらしいことはちょっとだけさいこうです

雨はいいことがないので悲しい気持ちになります、お気に入りの靴もワンピースも汚れてしまう、だけど、きみがやさしく頭を洗ってくれたので
ちょっとだけ好きになりました、きみのこと