きょうはすこしおせんちでおおくりするのでありました

つい最近近所で毎年恒例のデカイ花火大会があって、我が家は会場に行かずとも良く見れるすてき穴場スポットでありますからして、ドン(祖父)は朝からちょっとはしゃぎぎみでした、夜の7時をちょっと回った頃、ドン(祖父)を座り心地の良いブルーの椅子に座らせ、片手にビールを握らせてあげたのです、ドンはとてもご機嫌でした、そんなドンの背後から2時間花火を見続けていたのだけど、赤や青、金色に照らされたドンはすごくすごくキレイですてきだなと思いました、ドンは明日やあさってになるとそのことを忘れて、いつもの様に横柄な態度の偏屈じじーに戻ってしまうのですが、そのときばかりは小さい頃ドンの膝の上で甘えていたような、まるい気持ちになりました、ほんとのことを言えば、ドンは昔から子供が大嫌いなので、ワタクシは一度も抱っこされたことはないのですけれど
花火が終わり、ドンを椅子から立ち上がらせて、部屋に連れて行こうとすると、ドンが灰色に薄れた目をワタクシに向けて、「わたしの奥さんにも見せたかったなあ」としわしわに笑いました、ドンの背中がキレイに見えたのは、きっとドンの心も少しずつ垢が取れてキレイになってゆくからなんだろうか、と思いました、ドンの青い椅子はいつもの指定場所で今日もドンを包んでいます